【トップ対談-Chapter2】三井住友信託銀行・大山社長と平岡理事長
前回対談記事「Chapter 1」に続き、「Chapter 2」を掲載いたします。三井住友信託銀行(SMTB)様がSO活動への参画を決めた背景を大山社長が語りました。
SMTBがSON活動への参画を決めた背景
パートナーとして共に歩み、多様性の相互作用を生み出すために
-三井住友信託銀行(SMTB)がスペシャルオリンピックス日本のオフィシャルパートナーとなることを決めたポイントを教えてください。
大山社長:スペシャルオリンピックス日本の理念に深く共感したからです。1つ目(Chapter1より)は、今お話しいただいた「Be with all」。まずは、当社と知的障害がある方との関わりを少しお話します。

当グループは、障害者の自立を支援するチョコレート工房「ショコラ房」の企業理念に賛同し、2019年のオープン時から、障害のある社員の派遣や各種販売協力等を行っています。福祉事業所としては全国初のチョコレート工房で、障害のある息子さんを持つ当社の元社員が、「ありがとう」と言い続ける人生ではなく、「ありがとう」と言ってもらえるような人生を送ってほしいとの思いで立ち上げたものです。ここでは、チョコレートをカカオ豆の殻剥きから手作業で製造しており、障害のある人とない人が、それぞれの特性を活かした工程を担っています。手作りなので、一人ひとりの個性が出るのですが、「一つ一つが違っていい」というのがショコラ房のコンセプト。この支援を通じ、知的障害のある方とのコミュニケーションや仕事の任せ方などを学びました。
そこで、これまで、当社の障害者雇用の大半は身体障害のある社員でしたが、知的・精神(発達)障害のある社員の雇用推進の枠組みとして、2022年に「DE&Iラボ」を立ち上げ、2024年7月時点で管理者が3名、障害のある社員が18名います。2024年4月には DE&Iラボ(大阪)を管理者2名で立ち上げ、7月に社員3名が入社しました。実は、DE&Iラボの起ち上げに当たっては、管理者を社員から公募したところ予想以上に多くの手が挙がり、多くの社員がこういった取り組みに共感し共に活動したいと考えていることが分かったことは、大きな収穫です。
「For us から with usへ」、「ユニファイド」
2つ目は「for us から with us へ」、「ユニファイド」。SONの動画に「お互いの違いや個性を認め合い、多様な人々が生きる社会の実現を目指す」というメッセージがありましたが、当社の障害者雇用は、「共に働く」というコンセプトのもと、特例子会社などの制度は現時点で適用せず、各店部に配属しています。障害のある社員とただ同じ空間に一緒にいるということではなく、障害のない社員も一緒になって共に取り組むことで、「助ける」ではなく、「学ばせてもらう」、そういう実感、体験を社員に広げたいと思っています。同じ動画の中で平岡理事長は、「当初は知的障害のある人のために何かしてあげたいとか、自分にできることは何だろうという思いで関わっていたが、実は、自分たちにも返ってくるものがたくさんあって、自分に新しい気付きを教えてくれた」と仰っており、「各個人のあらゆるハンディに負けない精神」「頑張る勇気」という表現もでてきますが、まさにそういう体験をスペシャルオリンピックス日本への参画を通じて社員にしてほしいと思っています。

「Be with all」「for us から with usへ」 に 「for all」 を加えたい
3つ目は、「Be with all」「for us から with usへ」 に 「for all」 を加えたい。人間には一人でできることに限界があり、他人への共感と協力が、ホモサピエンスが進化した源泉だと思っています。イノベーションは「多様性の相互作用」から生まれると考えます。各人の個性や特性を活かすことで、皆で新たな価値を生みだすことが大切です。しかし、多様性を確保しただけでは、相互作用は生まれません。相手の個性を尊重し、言いたいことを言い合っても否定されない、いわゆる「心理的安全性」が確保されたインクルーシブな組織でなければ、多様性の相互作用は起こらない。「DE&I」活動は、イノベーションを生み出す経営戦略として取り組んでいます。

次回「Chapeter 3」をお楽しみに!
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