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インタビュー

【第3回・後編】有森裕子理事長単独インタビュー「SONが社会に果たす役割とは」

スペシャルオリンピックス日本(以下、「SON」という) 有森裕子理事長の単独インタビュー、後編をお送りします。理事長のSONへの深い愛情と熱い思いを聞きました。


スペシャルオリンピックス日本:インタビュー

─ 前回の続きです。アスリートの指導に関わった多くのメダリストの方が、アスリートから純粋に「楽しむ」ことを教わると言っています。

有森もう単純にSO(スペシャルオリンピックス)に参加して、それぞれがいろいろなことを感じ、続けているんだと思います。私たちはアスリートたちに、スポーツをする場を提供して、それぞれの役割で動いているだけ。

─ 前回の続きです。アスリートの指導に関わった多くのメダリストの方が、アスリートから純粋に「楽しむ」ことを教わると言っています。

有森真剣に何かができることを楽しんでいる姿を、私たちは忘れがち。極端に言えば「生きるってこういうことだよね」と自然に気づかせてくれる。アスリートだけでなく、ボランティアの方々とも関わることによって、いろんな角度からの気づきがあるんです。

─ 次世代の方々も加わって、さらに活動も活発化していきますね。

有森どんな関わり方をされてもいいんです。大事な活動だなっていうのは気付いていただきたいし、その部分において継続できるように、思いをはせて、「できる人が」「出来ることを」「できる限り」「できる範囲で」一緒にやればいいかなと思っています。無理をしてやるものでもないし、関わるものでもないですし。ただ、大事に思ってほしいのは、特別な活動じゃないんですよと。普通の、当たり前のことを、単純にスポーツを通して、彼らができることを見せている。そこで一緒に生きているんだよっていうことを、あの場を提供して、見せているだけ。いい意味で特別感をなくしてほしいということを私はものすごく伝えたい。感じてほしい。

─ 特別ではない、ということですね。

有森アスリートとか、ファミリーにも言いますが、応援する時はしてくださいね。手伝っていただける時は手伝ってくださいと。できることはやってくださいねと。自分たちが出ないから行かないとか、応援される事だけを求めて現場に行くとか、何かやってもらえると思うのは、違う。それじゃ地域社会で生きていけないと思います。最終的に社会で生きていきたいんですよねと。一緒に生きていくっていうことを前提に私たちの活動があるとしたら、そこは、自分たちもできることをやってくれと。

─ 積極性も、求められますね。

有森もし、自分たちが知られていないのであれば、自分たちから行くことだってできるでしょと。向こうから来るのを待つんじゃなくて、こちらからも行かなくちゃいけない。沿道に立って、旗を立ててアピールする方法もあったりする。

─ 従来の固定観念から、1歩踏み出すということですね?

有森障害の種類が違うから、色々違ってくるんだけど、知的障害でいうと、彼らは自分で表現することが難しいとか、発言することが出来ないから、何かにチャレンジする機会がなかなか与えられないという状況がある。一部の部分だけが大きな違いなのでサポートできる人がすればいいだけの話。そこの違いだけなんですね。関わることで、その部分に気づいてくれればいいんです。

スペシャルオリンピックス日本:インタビュー

─ 知的障害の場合は、コミュニケーションの部分で他の障害とは違った部分での難しさがありますよね?

有森「普通って何?」っていう話ですよね。障害っていうから分かりづらい。不便さ、不自由さは皆あることです。それが重度だったり、軽度だったりして、その対処の仕方が様々じゃなきゃいけないのに、今、そこが欠けている。その人たちのためのという部分がまだ見いだせられていないだけ。知的障害の場合は、彼らが声を上げられないことで、彼らの判断でないところの判断や固定観念があって、もの凄くその可能性を拒んでいる現実があるんです。

─ それはとても難しい問題に思えます。

有森他の障害なら、自分で声を発せられるから、そういう変化を起こす機会をもらえるのに、知的障害の場合は本人としてできないから、機会がもらえない。だからスポーツという手段を通してこんなことできるんだ、話せるんだ、というのを見せていく。社会で一緒にやっていけるんだ、というのを。

─ 来年の9月に開催される第7回の夏季ナショナルゲームのスローガンは「超える喜び。」だそうですが、有森理事長は「超える喜び。」をいくつも体験されているのではないですか?

有森超えたとかっていう意識って、その時は何も感じてなくて、後で思い返した時に、「ああ、これができたな」って、「これが出来なかったけど、今はできてる」とか、そういうことじゃないですか?いわば生きてるっていうことが、前にあるものをクリアし続けていること。クリアしたことが超えたっていうこと。我々がパートナーとなって、彼らと一緒にひとつひとつクリアし進ませていく。それが最終的にお互いに超えるということではないかなと思います。


インタビュア:小川朗(スポーツジャーナリスト)

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